他にも担当者がたくさんいるのに、他の部局から俺を名指しで仕事を頼んでくることがこのところ多い。
ただ単に若いから頼みやすいだけなのだろうけど、「俺の実力をみんなわかってくれている」と自画自賛してる。

群れることもそんなに好きじゃなく、人を引きつける魅力も、人を崇めついて行く忠誠心も欠けている俺だけど、誰かに存在は認めていて欲しい。

誰からも声がかからなくなったら、孤独に押しつぶされてしまう。
自分が望んで独りでいる時間は大切だけど、そうじゃない独りは耐え難い苦痛に違いない。

若い頃からの同僚で親友。
お互いのスキルを認め合って、信頼している。
二人とも50代後半なのに、考え方も若いし、自分の考えを人に押しつけようとしない。
今まで狭い世界しか見ていないからかもしれないけれど、これほどのコンビを見たことがない。

うらやましい。
俺にもこんなパートナーがいつかできるのかな。

若い頃の苦労は買ってでもしろ。

若い内に苦労すると、立派な壮年を迎えることができるのだろうか。
確かにぬくぬくとした温室育ちよりは、ずっとマシなのかもしれない。
ただ気になるのは、そう言って面倒なことを全部若い連中に押しつける人もいる。
苦労はいい。
ただ、あんたも給料分働け。
俺の倍以上もらっているんだから。

人に難問を出して、困っている様子を見て楽しむ。
もうかなり前から、このおっさんには見切りをつけていたから俺は大して気にならないけど。
本人は、教えてやっているとか、仕事にもっと責任を持ってほしいからなんて思っているみたいだけど、やっていることはパワハラに極めて近い。
こいつのせいでノイローゼになった人もいるみたいだ。
それはそれでどうかと思うけど。

変態の相手をするのは気持ちのいいものではない。

中学、高校生くらいのときって、知らない人と話をするとき、「はあ・・・」とか「まあ・・・」みたいな生返事しかしない人がいる。
一種の照れなのだろうけど、仕事で個人の家に電話するけど、こんな人と話をするのは、クレーマーと話をするのと同じくらい疲れる。

「○○様のお宅でしょうか？」と尋ねても
「はあ・・・」
「ご主人様か奥様はご在宅でしょうか」と言うと
「・・・」
「あの・・・、お留守ですか？」まで聞くと
「まあ・・・」
「先日お電話いただいた件なんですが、お聞きになられていますか？」
「はあ・・・」
「かくかくしかじかなので、どうぞよろしくお伝え願いします」
「・・・」
「えー・・・お伝えしていただいてよろしいですか？」
「まあ・・・」

きっと15〜18の女の子だな。
電話に出て用を足さないくらいなら、出るな！
結局伝わったのか、心配になるだけだし。

順調に過ぎていった今週の仕事。
その最後の最後に苦情の電話で「すぐにお前が来い！」と言われて、1時間以上外でひたすら文句を言われ続けた。
自分の担当地区なら我慢もできるけど、ちょうど休みを取っている人の地区だったからよけいに腹が立った。
まあ、それも仕事だから仕方ないか・・・。

そこを担当している業者はヤクザだから、あんまり強いことは言わないように注意されている。
そんな業者使うなよ。
力のある議員と繋がりがあれば、どんなにひどい会社でもちゃんと仕事を取る。
税金はこうして無駄遣いされている。

午後から人まで巻き込んで仕事をさぼるYがいないおかげで、仕事がはかどった。
昼から休みを取ったYは、11時に無理矢理人を街まで送らせたけれど。
この頃は断っても、食い下がってくるから困る。
上司に相談しても無駄だし、仕事＋子守に出勤している感じだ。

まあ、昼からは集中できたからよしとしよう。

土日祝日休みで、これだけの給料をもらえる職場なんてないのに、今の職場しか知らない人はこんな恵まれた中にさえ不満を見つける。

昔はよかった。
年を取るとそう思うものなんだろうね。
自分が第一線でバリバリやっていた頃が、一番いいって思うのは仕方ないか。

サボリマンYさんは、相変わらず何もしない。
これから春までの書類整理なんかは、全部俺がすることになりそうだ。

定時に帰る彼。
毎日残業の俺。
別にあの人の仕事をしている訳じゃないから気にならないけど、手柄を横取りもするからそれだけは気を付けよう。
自分の仕事の評価はきちんとして欲しいから。

土曜日久し振りに朝まで飲んで、日曜はまた遊びに出たらいまいち体調がよくない。
風邪引いたかな？

監督をやっている工事現場の地先の人から電話があった。
「やってほしい箇所が違うだろ！」と。
代理人に電話しても通じず、あわてて現地へ直行。
とりあえずは最悪の事態を避けることができたが、またもやトラブルが。
連絡をしてきた人とは別の人が出てきて、田んぼの水を抜く暗渠管が土砂で埋まったと言ってきた。
少し掘ったら出ると言うから、仕方なく業者に頼んで掘って貰っても全く出ない。
しばらくして、ふと横を見るとチョロチョロと水が出ている箇所を発見。
「あれは？」ってそのおっさんに聞くと
「ああ・・・あれだ！ああ、よかった。埋まってなかったんだ。」

おーーーい、おっさん。
掘ったところどうすんだよ。
暗渠管も出ないのに、掘らされた業者も憮然。
そりゃ、法面工事の金しかもらえないのに、おっさんにいいように使われりゃ腹も立つよな。
俺は業者に掘った箇所の補修を頼むしかなかった。
ブラックリストってのはあんまり作りたくないけれど、話を全部聞いてはいけない人ってのはやっぱりいる。

いつも忙しそうにしている人。
暇そうな俺を見て、俺は忙しいんだぞって得意な顔しているけど仕事遅いだけなんじゃないのか？
そんなに忙しいなら、もっと他の人に頼ればいいのに。
人を使うのが下手な人は、仕事が遅い。
人にしか頼れない人も仕事は遅い。当然か。
俺はそんな風にはならないぞ！！

人のことはどうでもいいんだけど、俺も工事も3つ動いている。
それは順調に進んでいる。

そんな金曜日。

3連休だけど、明日は天気悪そうだな。
明後日にでも紅葉を見に行ってくるかな。

連休明けの仕事。
午後からサボリマンがまた外勤するぞと誘ってきた。
90％は私用なんだけど、残りの10％は俺も関わりのある現場だったから、断るわけに行かなかった。
あの人は本当に暇なんだと思う。
それはそれでかわいそうだ。

調子に乗って、帰り駅まで送ってくれと言われたけど、残業していくと断った。
実際出かけていたせいで、早めに出さなければならない設計が滞っていたし。
その設計を仕上げてから帰った。

「早くこの職場出たいけど、2年じゃ動かしてくれないよなー」だって。
もう上での方では出すって事が決まっていて、本人以外はみんな知っているのに。
本来ならこの春の異動で動かされるはずが、引き取り手が無くて流れたようだ。
噂だから、どこまでが本当の話か分からないけど。
こんな有名人と知り合えて、ある意味幸せかもしれない。

今日は朝からスコップを手に、横断トラフに詰まった土砂を上げてきた。
240×360×1000のトラフ6本にびっちりと詰まった土砂を上げるのは、かなりの重労働だった。
そもそも、もう直営はしないと言いながら、結局予算が無くなったら作業はしないわけにはいかない。
そんな現実を上の人たちは見て見ぬふりだ。
賢いのとずるいのは紙一重。果たして、所長、副所長はどっちなんだろう。

午後からも、引き続き作業。
ひとりがグレーダーに乗って作業している間、俺はまたスコップ隊。

疲れて帰ると、机には財務会計を頼むと山積みの書類があった。
おじさんたちは俺に「昔はみんなやってたんだ」と言うけれど
昔は本当にただ外で作業していればよかった。
でも今俺は、設計も財務も作業も覚えろと迫られている。
期待に応えて見返してやるって気持ちと、所詮やればやるだけ押しつけられるって気持ちとがある。
ポジティブに行くしかない。

やっぱりJはおかしい。
別に今後も関わり合うことはないだろうし、どうでもいいんだけど気分が悪いことには変わりない。

ポンプ車の作業練習をした。
積んであるポンプをクレーンで吊って下ろして、ホース配線を繋いで始動する。
クレーンを動かすには免許が必要で、土木関係の仕事に就つもりの無かった俺が持っているわけがない。
「クレーンとか、ユニックって一応免許いるんですよね？」って
近くにいるおじさんに聞いたら「おお、お前持ってないだろ？」って。
そしたらすかさずJが
「だからって覚えないでいいって訳じゃないんだからな！」と。
はいはい。そうですか。って感じ。
軍手をはいていたらかゆくなって、脱いで掻いていたら
「おい！まだ終わった訳じゃないぞ！」と。
はいはい・・・。
年が近くて先輩である分威張りたいのは分かるけど、威張ってどうするの？
大体、初めてやった人間がホイホイできるほど仕事は甘くない。
覚える方はなるべく早く覚えるように努力して、教える方はその辺を
考慮して教えるべきだ。
将来Jがいい歳になったとき、誰もついてこないのは目に見えている。
そもそも、若いんだから設計くらい覚えろよ。財務の打ち方くらい覚えろよ。電話くらい出ろよ。
これから先も、Jに俺から話しかけることはほとんど無いだろう。

同じ班のAさんはすごい人だ。
ほとんど愚痴も言わずに、事業所内で一番の仕事量をこなしている。
人が困っているとさりげなくフォローしてくれる。全然恩着せがましくない。
支払い関係の処理のほとんどは俺がしている。
財務会計の入力なんかは、全部と言ってもいい。
それをプリントアウトして、Aさんにはんこを下さいと言ったら
「もう財務会計はお前がいなきゃダメだな」って。
とーんでもない！
Aさんがしている設計の方がずっとずっと難しいし誰にでもできる仕事ではない。
それを言ったら、ニヤリと笑って「俺は20年以上やってるんだぞ」だって。
かっこいい！かっこよすぎる！！
そんなAさんに学ぶことは多い。

職場の掛布みたいな頭をしている40近い人がまた
「いやー、髪型どうすっかなぁ？」と喫煙所でぶつぶつ言っている。
髪型ってあんた・・・。掛布カット以外どうにもならないでしょう。
突っ込んで欲しいのか、それとも本気で次の髪型を思案しているのか。顔を見ると本気っぽいけれど、頭を見るとその話は冗談にしか聞こえない。
俺はこの人とは、別に親しくしたいと思わないから放置プレイ。

サボリマンを床屋に乗せていって迎えに行った。
一応上司に報告しておいた。部下の義務として。

色々と引き継ぎがある。
Kさんがやっていた仕事のほとんどを俺が引き継ぐことになった。
午前中、検定のことやこれから始まる工事の話を聞いて、午後は少し時間があったからHさんがダンプに乗ると言うから助手席にのせてもらった。
このMさんは、普段はとぼけたようなことばかり言っているけれど実はすごく深いところまで考えていていつも感心させられる。

今日はサボリマンに誘われないで済んだ。助かった。

一度は立ち消えたかに思われたKさんの異動。
それが、やはり現実になってしまった。
一応来月1日付けの辞令で、今週いっぱいでKさんは第3庁舎に異動してしまう。
ほがらかな人柄で言いにくいことはこっそり言うKさん。
誰からも好かれていたKさんが、上の駒を動かすような人事の被害者になった。
今まで本当にお世話になりました。
きっとKさんなら、向こうに行っても今まで以上に活躍されることでしょう。
いつかまた一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。

やっと職場に自分のパソコンが来た。
持っているのに全然使っていない人がいる中で、俺はそれなりに使う機会が多いのに・・・というか、使わなきゃ仕事にならないのにずっと当たっていなかった。
仕方ないから、自分のノートパソを持って行って使っていたのだけれど、それが自前だと知らない人がいたくらいだった。
「え？また新しいのもらうの？」だって。
ばかやろう、今まで使っていたのは自分のだよ。
仕事に使う道具の支給が大雑把なのは、お役所の悪いところだ。
使わない人には支給しなきゃいいんだ。

腹が下っている。
土曜日あたりからだ。
精神的なものか、それともただ何かにあたったのかは分からない。